センター試験長文問題全訳


2007年センター試験第7問

 子供にとって、ゲームは真剣な事であり、死活問題でさえある。ゲームをしているとき、子供は多くの感情を表す。叫んだり苛立ったりすることもある。ゲームをすることが子供にとってどんなにか重要であるかが判る。泣いたりインチキをしたりする、こうした子供の極端な反応はどうしてなのか。問題なのは子供の価値観である。確かなことが一つある。それはゲームにおいては、子供たちはみなルールに従わなければならないということだ。ちょうど誰もが生活において法律に従うのと同じである。子供は5歳か6歳になると、他の人と同じように法律を守ることができるようになるのである。
 だからといって、ゲームで負ける、特に兄弟姉妹とゲームをしている時に負けるのを認めるのは容易いことではない。なぜなら誰もが勝ちたいと思うのはもっともだからである。だから子供は簡単にインチキしようとする。子供の心理を専門に研究している人は次のように分析する。「兄弟の中で一番下の子は、自分が上の子たちより弱いと感じているから勝ちたいと思う。一番上の子は、最年長である優位性を保つために勝ちたいと思い、2番目の子は上と下の兄弟の様子が少しはよく判るので結局は自分が勝ちたいと思うのである。」しかし、繰り返しインチキをするような場合、それは子供が窮屈な生活を送っていることを意味する。そのような場合には、両親は子供に対して抱いている望みに関してよく考えてみる必要がある。すべての教科で常にクラス1番になることを子供に期待していないか?おそらくは子供に求め過ぎているのではないか?
 どのように子供を励ますべきか?ゲーム中に手本を示して、もし自身が負けたら子供にこう言おう。「私の負けだね。でもたいしたことじゃない。明日はたぶん私が勝つよ」もし子供が負けたら、こう言って安心させてやろう。「お前がバカだっていうことじゃない。何の関係もないんだから」さらにはこう褒めてあげよう。「本当によくやったよ。凄いゲーマーだね」インチキをしたその場を見つけたら、長々と説教して雰囲気を重くするのではなく、ユーモアを交えて子供の企みを軽く取り上げてこう言おう。「ねえ、ゲームの結果に手を貸そうとしてるね」そして後でもっと長く子供に説明してあげよう。ゲームから引き出すべき教訓は単純で判りやすいものだ。勝つ日もあれば、負ける日もある。全くもって人生におけるのと同じである。


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