センター試験長文問題全訳


2016年センター試験第7問

 新学期になると親たちは普通中心的な教師や数学教師が誰になるか気にするのだが、一方で子供たちは前の学年の友達と同じクラスかどうかをむしろ知りたがる。しかしながら、この問いは大人達の目には特に気になるものではないが、生徒たちにとっては重要であり、子供たちにとっての重要性は根拠のあるもののように思われる。
 それというのも、中学生28000人の調査に基づく最近の研究が示しているように、平均して中学生の20%しか同じ高校に進学しないし、その中でわずか5%が同じクラスになるだけである。そしてこの同じ研究によれば、以前の友達と同じクラスになれば、学校生活がうまく行くことが多いのである。クラスに以前の仲間がいると、失敗や学業放棄の危険性を減じることにもつながるのだ。
 同じクラスにいるのが必ずしも親しい友達でなければならないというのではなく、単なる知り合いでも、こうした現象は等しく見られる。さらにこうしたことは、女子にも男子にも云えることである。学校生活上や社会的に問題を抱えている生徒にとっては、以前の仲間がいることがさらに重要であることも指摘されている。こうした問題を抱えている生徒にとっては、クラスが変わる際に以前からの知り合いがいることが特に望ましいと云えるのだ。
 フランスにおいて、落ち着きのない生徒を他と引き離す場合を除いて、クラスを決める方法は主要なこととみなされていない。このことに反して、上記の研究ではクラスを決める際に、生徒間の関係を考慮に入れることの重要性が示されている。すでに互いを知っている者同士を一緒にすること、特に最も問題を抱えている者を一緒にすることで、追加の予算をかけることなく、学校生活における成果を改善できるし、機会の平等性を強めることができるのである。
 その目的で、この研究の結論が中学生や大学生の新学期にもあてはまるかどうか確認すべきである。もしそれが確認されれば、旧知の友達を一緒のクラスにすることは、学校という制度全体をより適切で効果的なものにする簡単な方法と云えるだろう。


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