(7月30日)
   変化には普遍的な形がある。我々は時間に関してあらかじめ多くのことを知っている。つまりたとえば、同じ時間が二つとないことや、時間自体に速い遅いがないこと、時間が逆転しえないこと、空想上の時間などないことを我々は知っている。さらに時間はあらゆる変化、あらゆる存在にとって共通であり、たとえば来週に達するには、人間すべて、そして全世界が共に進まなければならないということも知っているのである。時間に関しては多くの格言があるが、他のあらゆる格言と同様に難解なものである。デカルトは次のように言っている。神自身でさえ起こったことを起こらなかったことにはできないのである。
  1. 冒頭はフランス語では名詞だけだが、訳文では主・述の文として訳出した。
  2. d'avance:前もって、あらかじめ
    (à l'avance:早めに)
  3. bien du [de la, des]+名詞:多くの~、たくさんの~
    (beaucoup de+無冠詞名詞)
  4. par exemple以下、savoir que~の名詞節(queで始まる節)が6つ続いているが、point-virgule(;)を境に前後2つに分けて訳出した。
  5. le temps n'a pas de vitesse:直訳すれば「時間にはスピードがない」。ここでは時間の経つのが速かったり遅かったりするのはあくまで人間の感じ方であるということ。
  6. (une) abondance de~:多量の~
  7. faire que+接続法:~となるようにする
    (faire que+直説法:~を引き起こす、~という結果になる)
  8. dit Descartes:引用などの中に挿入するときは主語が名詞でも単純倒置
     Le cœur, a dit Pascal, a ses raisons que la raison ne connaît pas.
    心には理性の知らないそれなりの道理があるとパスカルは言った

→ 問題文に戻る

→ 読解練習帖 index


→ accueil( Home )