2-6  (2月3日)
   古代から西洋の人間は、一方で、かつて書かれた文書すべて、かつて出版されたあらゆる書籍を集める世界的な図書館という夢を抱きながら、他方でどんなに大きくても世界中の知識の部分的なイメージしか提供できない実際の図書館という現実を前にして、両者の間の矛盾につきまとわれてきたものである。しかし、電子の力で遠く離れた所にある文書にアクセスすることが出来るようになり、文書が存在する場所と文書を読む場所との区別はなくなってしまった。電子の力はいにしえの夢を現実に考えられうるもの、約束されたものにしたのである。
  1. contradiction entre:構文的には entre le rêve et la réalitéであるが、それぞれに修飾語句がついているので上記のように意訳してある。
  2. d'un côté:d'un côté ~ d'un autre côté[de l'autre côté] 「一方では~,他方[他の一方]では…」
  3. jamais:一般に過去形と共に「かつて」
  4. aussi grandes soient-elles:aussi … que+接続法「いかに…であろうとも」que を省略して主語と動詞を倒置することもある。aussi riche qu'il soit「彼がいかに金持ちであっても」= aussi riche soit-il
  5. partielle:「一部分の、部分的」/ partial「不公平な、偏った」と間違えやすいので注意。
  6. électronique:「電子工学, エレクトロニクス」だが、現代的に言えば「IT」のことなので、やや意訳した。もっとはっきり「インターネット」としても良いくらいである。

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