2-31  (2月4日)
  情報伝達の道具とも言える新聞・雑誌の類は、まず初めにプロテスタントのドイツで発達し、次いでイギリスやフランスで発達した。様々な種類の出版活動が行われた後、定期刊行物が誕生する。ドイツでは早くも1597年に月刊誌が現れ、次いで週刊誌が刊行される。フランス語の出版物としては、1631年に最初の定期刊行物が誕生している。
  限られた人々しか読まず、また確固とした権力によって管理されているので、新聞・雑誌の類は演劇や書物に比べて、長い間あまり重要でない役割しか担ってこなかった。しかし17世紀後半のイギリスでは、新聞・雑誌の類が名誉革命という政治的事件に関わった。政治的な強制や検閲、税金は、一般に考えられているのとは反対に、当時は新聞・雑誌類の種類や印刷部数が増加するのを妨げはしなかった。1771年には英国議会は新聞が議会の審議を報道するのを許可した。現在のようなイギリスの大新聞や定期刊行物がまさに誕生したのである。
  1. La presse:「出版物」第2段落でlivreと対比的に使われているので、出版物の中でも特に雑誌などの刊行物を指す。後に出てくるpublicationと意味上で重複する部分もあるが、使い分けが必要であることも少なくない。
  2. sont apparus les périodiques:倒置構文
  3. à côté du:à cote de~は「~のそばに、隣に」の他にも、「~をそれて、はずれて」や「~と比べて」、「~とは別に、~に加えて」などの意味を持つ。
  4. a pris part aux:prendre part à~「~に参加[協力]する」
  5. En Angleterre:この一文は前文との意味上の繋がりから、冒頭に逆接の接続詞を補った。
  6. titres:文字通り「タイトル」だが、ここでは後のtiragesに対して出版物の種類のことをいう。
  7. empêché:empêchér+目+de+inf.目的語はles titres ni les tirages。
  8. au contraire:「反対に、それどころか」

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