34  (8月30日)
   幾人かの人々にとっては、「旅」という言葉はまさしく魅惑的なものである。旅立つということを考えるだけで、すでに酔い心地になってしまう。何故なら、その人達にとって日常的な単調さから離れることがまず最初の喜びだからである。外国に行くと、すべてが彼らには「異国ムードいっぱい」のように思え、彼らは訪れている国の細部の一つ一つに熱中するのである。すべてを知ろうとして、何か重要なものを見落としていないかと、訪れる街それぞれの記念建造物や美術館を丹念に見て回るのである。またもっと気ままな性質で、土地の住民の生活に加わって、その国の雰囲気が自分に染み込むのを好むという人もいる。そういう人達は、ホテルよりも普通の人々の家に寝泊まりするほうを好む。彼らはガイドブックを手にして、あるいは紋切り型でいつも興味深いとは限らない説明で人々をうんざりさせる帽子をかぶったガイドにくっついて、いつもの観光客の団体と美術館や記念建造物を計画的に訪れることを嫌う。
   これら2つのタイプが一緒になっているグループを見かけることも多い。そういう場合は、困ったことにならない訳がないのである。
  1. se passionner:前置詞 pourを伴って「~に夢中になる」(複合形の場合、過去分詞は一致)
  2. de peur de:de peur+不定詞/que (ne)+接続法「~することを恐れて」
  3. quelque chose d'important:quelque chose, rien, personne, quoiなどの不定代名詞に形容詞を続ける場合は deを間に入れる。
  4. le guide à la main:「ガイドブックを手に持って」と状況補語の役割。状況補語となる名詞は前置詞に導かれることが多いが、時に前置詞なしの直接構成を取る。ただし名詞が単独で使われることはなく、名詞の後に必ず形容詞、過去分詞、前置詞+名詞を伴う。Il me parlait les yeux baissés.(彼は目を伏せて私に話しかけていた)
  5. monsieur en casquette:「ハンチング帽をかぶった男性」ツアーガイドの典型例として挙げている。
  6. poursuivis par un monsieur:直訳すれば「~の人に付き従われて」だが、能動的に訳した方が日本語としては判りやすい。またフランス語としては観光客の後にガイドがついて行くという構成だが、現実的にはガイドの後をぞろぞろ歩いていく団体客というイメージが一般的なので「ガイドにくっついて」と訳出した。
  7. Ce n'est pas sans:二重否定となっている。
  8. poser[faire] problème:「問題になる,困ったことになる」。

→ 問題文に戻る

→ 読解練習帖 index


→ accueil( Home )