Entre nous, il s'agit d'un amour nécessaire.
( Simone de Beauvoir, La Force de l'âge )

僕たちの恋は必然的なものだ。

 サンジェルマン界隈を闊歩した知識人の代表と言えばジャン=ポール・サルトルだが、サルトルと言えば生涯の伴侶とも言えるシモーヌ・ド・ボーヴォワール(1908年~1986年)を取り上げないわけにはいかない。
 二人の出会いは学生時代で、1929年に中高等教育教授資格を同時に取得している。サルトルが1位、ボーヴォワールは2位であった。二人は互いの合意で結婚することなく「伴侶」として生きていくことになるが、お互い自由に恋愛し、それを隠し立てしないという取り決めもしていたと言われる。
 引用した一文はボーヴォワールが1960年に発表した自伝『女ざかり(La Force de l'âge)』からで、多くの女性と一緒にいるのが好きな23歳のサルトルがボーヴォワールに言った言葉で、後には「il convient que nous connaissions aussi des amours contingentes.(でも偶然の恋も知る必要がある)」と続く。
 二人とも複数の別の異性(ボーヴォワールは同性とも)と関係があったことは今では周知のことである。しかし1980年サルトルの死をボーヴォワールは看取り、6年後にはそのボーヴォワールもモンパルナス墓地でサルトルと並んで埋葬されることになるのである。

ボーヴォワールについてもっと知りたいなら、
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